何故しゃちくがこの会社と社宅に入ったのか①
私は専門学校卒業後、20歳で上京して大手コンビニエンスストアでアルバイトをして生活していました。
そこは人手があまりにも足りなくて他店舗へのヘルプに行くことが多く、シフトは週に6回、1日11時間働き、更には残業しても「シフト時間内に終われない貴女の能力不足」という事で残業代は一切出ないという場所でした。
今まで労働をしたことがない若輩者の私は最初はそれが普通だと思っていました。普通どころか普通にアウトなんですけど。
今思えばこの時から職場選びが絶望的に下手くそだったのかもしれない。
2年前の2016年の4月、色々あって沖縄に戻ってくることになりました。事前に母には戻ってくることは伝えています。母からは「サプライズがあるから、帰ってくるまで楽しみにしててね!」と言われていました。
帰ってきて母に伝えられたサプライズは、「イギリスのダーリンのところへ行くね!一人暮らし頑張って!」でした。
母には私が中学生頃から遠距離恋愛をしているダーリンがいました。私も弟も成人した今、一緒になるにはこのタイミングじゃないか?という事で渡英を決めたとのこと。
ところで何故私が沖縄に戻ってきたかというと、経済的にヤバかったからとりあえず実家に戻ってまた一人暮らしできるぐらいの貯金がしたかった、からなんです。度々母にも伝えておりました。
私は充分な貯金も無いまま勢いで上京したため常に貧乏だったんです。そこで母の渡英報告。
ビックリしました。悟空みたいな声が出ました。
「まぁじかおめー!!めでてーなぁ!!おらの話聞いてたかぁ?!」
まあでも決まってしまったのなら仕方ない、私はいつまでもニートでいるわけにも行かず、とりあえず……と5月からまたもや大手コンビニエンスストアでアルバイトを始めます。
そして、そこだけでは給料も心もとないので、小学校からの知人の母が経営している某社でもアルバイトをしていました。
そう、そこがおそらく世間一般的に見たらブラックだけど中の人達はその自覚がないあの会社。労基からも何もできることはありましぇ~んと匙を投げられたあの会社。けどまだこの時点で会社と深く関わることはありません、もっと先です。
社長は異様に外面だけはいいです。私が生活に困っている事をちょろっと伝えると、ハロワでの職探しまでの道筋を開いてくれました。
そこで私はコールセンターの求人を発見し面接を受けます。私が東京で声関係のなんやかんや(濁します)に関わっていたからかすぐに採用していただけました。
このコールセンター、社員さんやパートさん、皆さんとても良い方ばかりでした。ただ業務内容が個人的に地獄でした。
みんなもいつもお世話になってる……であろうWi-Fiの機械の解約作業、機械の設定の説明等が主なコール内容だったのですが、どうやらお客様方は契約する時に店員から充分な説明を受けないまま契約をしていたみたいで解約時にかかる料金に対してのクレームが非常に多かったのです。
この機械を契約できる店が沖縄にはないので詳細を確認しようがないですよね。そしてその店への確認はいつも電話確認。沖縄にはないから。だもんで私は近場にありもしない店の契約商品についてのクレームを延々処理していたわけです。
なんでわし怒られとるん?
ある日思いました。いや業務だから仕方ないんですけど。ただ、精神的に滅入っていた私はまたもやぽろっと、外面だけはいい社長に相談しました。そしたら「うちに入社したら?」と。
私は日々のクレーム処理でとても精神的に弱っている状態でした。そういう時って、人って正常な判断をしているつもりでもそうでない事が結構多いように思います。
社長が提示した入社する条件は、「社宅に住むこと(ルームシェア)」「業務に必要な資格を得る為、専門学校に入学すること」でした。
私は母が契約していたアパートに母が渡英した後も住んでいました。かわいい犬と一緒に。だいちゅき。引っ越すということは、その犬とも離れることになります。専門学校に入学するということは、また借金を抱えることになります。(専門学校で奨学金を借りていたので23歳にして借金持ちでした。なうです)
私はそれがとても気がかりだと社長に伝えました。すると社長は、
「うちの旦那さん犬好きだから、うちで面倒見れるよ!!いつでもうちに来て!!」
「学費も働きながら学校に通う人に対して免除してくれる県の制度があるから大丈夫、心配しないで!!」
と私に伝えました。ははぁ、なるほど、私の為に色々調べてくれて、犬の都合もつけてくれたんだな、いい人だな、と馬鹿な私は思いました。そして社長は続けます。
「コールセンターの給料は?手取り15万円?そっか……うちに入るとそれより1万下がっちゃうけど……大丈夫??」
コールセンターは社会保険に入って保険料や年金等を差し引いて手取り15万円でした。てか「手取り」15万円って言ってるから上のような言い方されると(え?無資格なのに14万円くれるの?ありがてぇ)と思うじゃないですか。これ総支給額で、実際貰ってたのは11万くらいでした。はいクソ~~~~~~(大の字)
脱線しましたが、さらにさらに社長は言いました。
「もしも専門学校行かなかったら、入社しても給料10万円切るかもなぁ……」
ええ?まじ?給料10万切っちゃうの?やばいやん専門学校入らなきゃ。
正常な判断ができていない私は即決でその条件を飲みました。
いやアホですよね~。そんな事したら普通にアウトですもんね。考えたらわかるじゃないですか、けど人ってはちゃめちゃに追い詰められるとそれが正常かそうでないか判断出来ないんです。身を持って知りました。
そういう訳で私はまず社宅に引っ越します。この引越しもなかなかクソでした。業者費用を浮かせるために、私の父や父の会社の社員さん、父の会社の軽トラックを総動員して引越しをしました。社宅に住む別の二人のうち、もう一人の分も。このもう一人(同居人A)が社長並にやべえやつでしたが、後述します。
で、手伝ってあげた側の父が何故か沖縄そばをごちそうしてました。
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逆やん。おめーら父に手伝ってもらったんだからおめーらがお礼しろやって思いました。
地獄の始まりが、私の愛犬です。
上記で書きました。社長は「うちで面倒見れるよ!」と言っていたと。
引越し当日、全ての荷物を運び終わってから社長から言われました。
「会社の方に置かせてね。あとずっとは置けないから飼い主さん探しといて」
は?何「置かせてね」ってうちの愛犬は物じゃないんでけど。てか話違くない?おめーが面倒見るって言ったんやんけ??あ????
大パニックです。そんなわけで私は父に相談しました。何日か会社に愛犬を預け、ある日父の知り合いで犬を飼っている方がいるからその人が引き取りたいと申し出ている、と連絡を頂きました。
私は泣く泣くその方に愛犬を引き取ってもらいました。
そして専門学校の件。
社宅に入居後に合格通知が届きました。やった!嬉しい!!愛犬の件は悲しいけど、これで資格が取れる!!と喜びました。連絡を受けた社長はすぐに合格おめでとうの文字入りのケーキを持ってお祝いに来ました。そこで一言。
「学費、祖父母や父に相談出来ない?しゃちくさんは制度が適用できなかった」
後々考えてみればそんなおいしい制度があるかも謎なんですが(調べる気力もない)それを今伝える????え?????なんかもう色々話違くない???????
入学蹴ってもよかったのに、バカ正直に私はお金をかしてくれるところはないかと銀行に行きました。しかし銀行は利子が高い。
そこで私は県の社会福祉協議会から学費を借りました。保証人の印鑑はアホの社長が押印しました。多分ですけど学校行かせようと必死だったんじゃないですかね、自分の業務を引き継げる人材作りのために。その為に資格は必要不可欠なので。てか管理者になってほしいって言われました。だぁれがなるか。
祖父母や父は前の専門学校に通う時の学費を出してくれたので、これ以上負担させられないと思っての独断です。父には社長が最初に提示した制度の話をして入学を許してもらったので、未だに私が現専門学校の学費で更なる借金を抱えたことは知りません。伝える気もないですけど。
そして社宅に入居して2ヶ月後に私はコールセンターを半ば無理矢理退職し、4月までアルバイトとしてこの会社で働きます。あと夜は沖縄に帰ってきてからアルバイトさせてもらってた大手コンビニエンスストアでも。こちらはホントいいところでした、ありがとうございます。
4月から私はアルバイトから正社員になりました。
長いので分割します。